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J1第27節(9月23日)、ホームで2点リードを守り切れず新潟と分ける

17・09・26
 北海道コンサドーレ札幌は9月23日にホームの札幌ドームでアルビレックス新潟と対戦。試合は札幌が前半アディショナルタイムにフリーキックから最後はMF早坂が決めて先制。後半にはFWヘイスがフリーキックを直接叩き込み2−0とする。しかしその後息を吹き返した新潟に2得点を許し、2−2でタイムアップ。札幌は2点差を守り切れず、最下位相手に痛恨の引き分けとなった。

 札幌は、前節3連勝を懸けて挑んだアウエーの神戸戦では敗戦。勝率の良いホームで再び勝利への流れを作っていきたいところ。対する新潟は、14試合勝利なしという苦しい状況で最下位に沈んでいるが、J1では札幌相手に無敗の5勝と相性が良く、この一戦で浮上のきっかけをつかもうとしていた。

 試合は前半開始から新潟のアグレッシブなプレーが目立つ。特に新潟MFホニがドリブルを仕掛けて右サイドを活性化させていた。札幌も立ち上がりから新潟が激しくくることも想定済みであり、勢い良くプレスにくる新潟の背後をつきチャンスに結びつけていく。

 しかし前半20分に札幌にアクシデントが発生する。左サイドからあげられたアーリークロスに飛び出した札幌GKクが新潟FW富山と衝突。クは一度立ち上がりプレーするも再び倒れ込み、前半27分に金山と交代。嫌な展開も予想されたが、チームメイトがこれに触発されたか、前半終了間際にゴールで応える。前半アディショナルタイムの7分、敵陣中央の右サイドからのフリーキックをDF福森が蹴る。ファーサイドまであがったボールをジェイが頭で中央に折り返すと、走り込んできた早坂が右足のワンタッチシュートで1−0。札幌は相手にダメージの残る良い時間帯のゴールで試合を折り返す。

 後半に入っても、札幌の流れはそのままに後半11分にペナルティーエリア手前の左からフリーキックを獲得。前半にあったフリーキックは福森が蹴ったが今度はヘイスの右足が炸裂。細かい助走からニアサイドを狙って蹴られたボールは壁を越え、ワンバウンドでゴールネットを揺らし、サポーターのビッグフラッグも大きく揺れた。

 2点リードし、勝利まで一直線かと思われたが、その後は新潟の猛攻にさらされる。後半35分新潟の右CK。キッカーのホニがゴールから逃げていくボールを入れると合わせたのは途中出場の新潟FW河田。ゴールからはかなり離れた位置から下がりながらループ気味のヘディングシュート。これが札幌GK金山の触れないところ飛びサイドネットにふわり。1点差とする。

 さらに新潟の攻撃は続き後半42分、今度は左からのCK。大きくファーサイドまで流れたボールを新潟が拾い、ペナルティーエリア内の攻防から新潟MF山崎がヒールキックで新潟DF小泉にスルーパスを送る。小泉はシュート気味の低いクロスを中央に入れるとこれに反応したFW河田がワンタッチで合わせこの日2点目。土壇場で2−2の振出しに戻された。

 なんとか勝ち点3を積み上げたい札幌は終了間際に途中出場のMF稲本がペナルティーエリア内でシュートを放つもわずかに枠の外。試合はそのまま終了し、札幌は勝ち点2が手元からすると逃げる後味の悪い結果となった。

 これで札幌は7勝6分け14敗の勝ち点27とし、順位は14位変わらずだか、サンフレッチェ広島、ヴァンフォーレ甲府が勝利したため、15位広島には勝ち点1差、15位甲府には勝ち点3差まで詰められる状況となっている。

 次節札幌は9月30日にアウエーのエディオンスタジアム広島で、その広島(勝ち点26)と直接対決する。両チームにとってこの一戦の勝利は勝ち点3以上の意味がある。

 (写真はいずれも9月23日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半22分、新潟FW富山と激突、治療後一旦はプレーを再開したものの結局タンカで運ばれ、交代を余儀なくされた札幌の守護神GKク・ソンユン。ゲームの引き分けもさることながら、残り試合を考えればけがの程度によっては、こちらの方がより痛いかも知れない


 上写真/前半追加タイム4分、札幌FWヘイス(11番)が新潟DF富澤(50番)と激しくマッチアップ、後方はジェイ(48番)、右端は昨年まで札幌にいた新潟のDF堀米(27番)。2人のツートップはヘイスが2点目のFKを決め、ジェイが早坂の先制点をアシストするなど、活躍を見せた


 上写真/前半追加タイム7分、札幌MF早坂(26番)が先制ゴールを決め、MFチャナティップ(18番)、FWヘイス、MF宮澤(10番)、FWジェイ(48番)らの祝福に笑顔を見せる。新潟の選手はガックリ


 上写真/後半11分、札幌FWヘイス(11番)が直接FKを決め、MF兵藤の祝福を受けてハイタッチ


 上写真/後半35分、新潟右CKからの攻撃でFW河田のヘディングシュートは山なりに札幌GK金山(1番)の頭上を越えてゴールネットに吸い込まれ、1点差とする。金山の左札幌FWジェイ、右端MF石川(32番)。新潟の選手は左端MF磯村(6番)、右DF富澤(50番)


 上写真/後半42分、新潟右CKからの攻撃でMF山崎、DF小泉とつなぎ、FW河田(左端の32番)が同点ゴールを決める。河田の右札幌MF宮澤やGK金山はぼう然


 上写真/後半35分まで2−0とリードしながら結果的に引き分けとされ、沈痛な表情でサポーターへのあいさつに向かう札幌の選手たち。左からキャプテンMF宮澤(10番)、DF横山(2番)、先制点を決めたMF早坂、この日出番がなかったFW都倉(9番)、途中出場したDF河合、同MF稲本(17番)、DF菊地(15番)、FWジェイ(48番)、2点目を決めたFWヘイス(11番)、GK金山(1番)


 上:左側写真/チャナティップの応援にタイから来日したチャナティップの両親ら
 上:右側写真/試合終了後、昨年まで札幌でプレーしていた新潟DF堀米がゴール裏札幌サポーターにあいさつ


 上写真/後半44分、「逆転を狙え!」とばかり勢いづく新潟の呂比須ワグナー監督(左)とぶぜんとする札幌の四方田修平監督

※北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

■アルビレックス新潟の呂比須 ワグナー監督のコメント
 「こんばんは。前半は相手にチャンスを与えないように、ブロックをしっかりコンパクトな形にして、パスコースを消してカウンターを狙うつもりでいたんですけど、(前半の)最後、セットプレーでやられてしまいました。相手の強さも分かっていたので、フリーで打たせないように練習してきたのですが。
 後半立ち上がりから、しっかり集中するつもりでいたんですけど、またFKでやられて。そこからまたスイッチして、勝点3が欲しかったので、前から行きました。
 引き分けになって、勝点1しか持って帰れないんですけど、0−2から2−2にした選手は本当に頑張ってくれたと思う。ホームゲームにつながっていくと思いますし、自信を取り戻せるんじゃないかという部分もあります。自分たちのできるプレーを信じて、全力で頑張っていく。それは選手たちにも伝えるし、選手たちもそういうつもりでピッチに立っているので、次は勝点3を取れるように頑張っていこうと思います」。

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影