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天皇杯・岩教大2回戦へ

18・05・31
 天皇杯JFA第98回全日本サッカー選手権大会が開幕した。北海道代表の北海道教育大学岩見沢校(岩教大)は5月27日午後1時から札幌市厚別公園競技場で、山梨県代表の韮崎アストロスと対戦。1−1の同点延長からPK戦を行い5−4で韮崎を破り2回戦にコマを進めた。

 岩教大は、2011年から4度目の出場で、初出場の11年に大阪体育大学に1−1からPK戦5−4で勝ち、さらに13年の山形県・羽黒高校を2−1で破って以来の3度目。いずれも2回戦でJリーグチームのセレッソ大阪、北海道コンサドーレ札幌に敗れている。今大会2回戦は6月6日午後7時からJ1湘南ベルマーレとアウエーで対戦する。

 試合の方は岩教大1(前半0−1 後半1−0 延長0−0 0−0)1韮崎 PK戦(5−4)で岩教大の勝ち。

 PK戦は、今回から採用された「ABBA方式」で行われ、トスに勝ったA(岩教大・見原)が最初のキッカーとなった。次は、B(韮崎)の2人が連続で蹴り、その後A(岩教大)の2人が連続で、これが交互となる。今回は、9番目(これまでは5人目)がプレッシャーになったか。この方式はFIFAなどで採用され、日本(JFA)では、天皇杯のほか、ルヴァン杯でも採用される。

A1番・見原 一歩(岩)〇
B2番・長島 孝太(韮)〇
B3番・飯塚 慎一(韮)〇
A4番・野村 拓哉(岩)〇
A5番・小笠原光研(岩)〇
B6番・福井 風斗(韮)〇
B7番・畑川 大地(韮)〇
A8番・佐藤  隼 (岩)〇
A9番・泉山 凌馬(岩)〇
B10番・鈴木 範行(韮)×

 この日の厚別は、西の風=微風、気温18.7度。「思ったより暖かい」(韮崎の選手談)。公式記録には、微風となっているが、GKからのキックは、かなり風に乗った。前半32分の韮崎の得点は、まさにGK川村修平からのパントキックが、岩教大陣内中央まで飛び、FW長島が守備陣を置き去りにし、単独ドリブルで岩教大GK鎌田大輝と1対1。左足を振り抜いて決めた。岩教大は押し気味に攻撃していたが、この1失点で戦法が変わった。左のFW佐賀俊之輔をターゲットにハイボールを多用していたが、得点に結びつかない。平均年齢が20.3歳と若い岩見沢。相手は13人のエントリーで25.2歳。攻撃の転換を模索して前半を終わった。

 後半は岩教大が、風上。まず変わったのがCK(コーナーキック)の相手ゴール前の布陣。前半は、相手ゴールから少し離れて中央に4、5人が蜷局(とぐろ)を巻いたが、後半は相手ゴール前に真横に並んだ。CKキッカーは、ゴールポストぎりぎりを狙ってくる。ゴール上のバーをボールが綱渡りすることもしばしば。風をまとったボールは、ゴールを目掛けてよく曲がる。

 攻撃展開は7分3分で岩見沢が上回っていたが、点にならない。アディショナルタイムは7分。最後の最後、後半45分+2分。DF野村のCKが小川経由で、遠藤祐馬の左足に当たって入った。同点で15分ハーフの延長戦。岩教大は長身のFW橋本恭佑らGKを除く4人を投入して延長をしのいだ。韮崎は「仕事の関係で2人」だった。GKの交代さえもいなかった。最後に登場したのが32歳の鈴木範行だった。

 試合前に深澤哲也監督と話していた。「お父さんはサッカーをやっていたんですか」。No。「山梨には深澤姓が多いんですか」と東京教育大時代の先輩の話をした。「多いですよ」。違った。「陰ながら応援してます」と言っておいて、良かった。

 公式記録ではシュート数(岩)28−9(韮)、GK14−26、CK15−2。ほっとして越山賢一監督は「目標はJ1チームとやること。そして勝ちたい。頑張ります」

 北海道コンサドーレ札幌は6月6日午後7時から、札幌市厚別公園競技場で、MIOびわこ滋賀と対戦する。
                                        (池田 淳)

(写真はいずれも5月27日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘)

 上:上段写真/前半32分、韮崎アストロスのキャプテンFW長島(左端8番)が抜け出し先制ゴールを決める。岩教大GK鎌田(1番)
 上:下段写真/後半31分、岩教大FW佐賀(9番)と韮崎アストロスのMF飯塚(10番)が厳しいマッチアップ。佐賀は自身のゴールは成らなかったが、5本のシュートを放つなどチームを引っ張り、勝利に貢献した


 上:上段写真/後半追加タイム2分、岩教大途中出場のMF野村の右CKからMF小川(24番)が頭で折り返したボールをDF遠藤(17番)が左足で決めて同点とする。中央倒れているのがFW下田(33番)、左端韮崎アストロスGK川村
 上:下段写真/延長後半5分、岩教大右CKからの攻撃にFW下田(中央左)より早く、韮崎GK川村が先にキャッチ

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影