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弊紙発刊の書籍がリニューアル版で絶賛販売中【一部抜粋し紹介】

24・09・11
 Amazon初登場時にカテゴリー別4位となった「100万円も借りられなかったNPOが、街クラブ日本一の施設を造った奇跡の物語」(出版元:北のサッカーアンビシャス)が、全国のサッカー関係者から注目を集め、「クラブ40周年記念誌同梱版」としてリニューアル発売となった。

 こちらの特装版は、現在Amazonで限定販売中。地域スポーツ関係者には関心の高いクラブ運営や、あっと驚く施設の作り方も実例を基に紹介。ご興味のある方は是非どうぞ。

 本紙では、本の中身を少しずつではあるが紹介している。今回は第九の巻「ついに、ついに土地の購入か・・・」の章を抜粋し、紹介したい。(登場人物の年齢、所属、役職などは2017年通常版出版時のものとなります)。


【以下書籍より一部抜粋】

第九の巻「ついに、ついに土地の購入か・・・」

 ここまで、あまり話に出てこなかった田古嶋であるが、特命チームで一目置かれているエピソードがある。2011年に、新たに見つけたグラウンド用地(ここからは慎重を期すために某市、某所とさせていただく)の購入交渉で契約直前まで進んでいた時の出来事である。このグラウンド予定地は、他の検討してきた土地よりもさらに絶好の場所にあり、坪単価も比較的抑えられていた。管理業者も全て問題なく、この時で既にプロジェクト開始から2年が経過し、多くの土地関連情報を精査していたため、かなり絞り込まれていた有力な購入予定地でもあった。

 先行調査を行っていた土橋も、これまで数々の可能性を探ってきた経緯から、ついにこの日が来たのか―と情報収集や銀行への新たな返済計画の作成にも力が入った。柴田はというと、慌てることなくいつも以上に慎重な姿勢を見せ、現地に出向いての調査も複数回にわたり、地域住民からも直接情報を聞くなど念入りな姿勢だった。それもそのはず、ここがホームグラウンドとなれば億単位の資金が投入され、クラブの今後の命運が決定するのだ。

 それにしても契約を目前に控えた最終現地調査時の柴田の雰囲気はいつもと違うように見えた。本来、『ここにクラブ悲願のホームグラウンドが出来る!』と、思えば、少しは高揚する気持ちが見えてもおかしくはない。しかし、柴田は、立地条件、価格、土地の種別、地主や管理業者など、全てにおいて絶好のグラウンド予定地を目の前に、ひとり沈黙。考え込む時間が多かった。そしてその理由は後に判明することになる。

 「どう考えても最高の土地、条件なのは異論ないよね。うーん。でもね。あまりこういうことは言いたくはないんだけど、この土地を未来から見た時に不安な点があるから・・・うまく説明は出来ない、と言うか説明したところで信用されないんだけど・・・」と、ボソッと言ったのである。これまで特命チームとして柴田を支えてきた土橋、田古嶋もさすがに 『???』である。そんなことを言ってもいつもの冗談かもしれないし、好条件の契約も目前に迫っているのだ。

 入念に進めた現地調査も終わりに近付き、予定地から車で数分の場所で最後の聞き込み調査を行っていた時である。何気なしに田古嶋が視線をずらすと、住宅地のすき間から高い壁に囲われた工場が遠くに見えた。近隣の住民に聞いても存在すら気にしたこともないと言う。柴田の話が妙に引っ掛かっていた田古嶋は、「購入予定地からは距離はあるけど、念のため、最後に見に行ってみましょう」と進言した。

 車でさらに数分走り、工場を囲う壁のわずかなすき間から視界に入ったのは――。反社会的なと言える特殊大型車両だった(極端な右寄りに止めてある・・・詳細はご想像におまかせということでお許しを・・・このサーチ能力が“SSSの迷探偵こなん“と異名を持つ田古嶋のゆえんでもある。本物は「名探偵コナン」。原作青山剛昌氏)。

 しかし、一見普通の工場に見えたので、もしかしたら自動車修理工場で、特殊車両は整備や修理のために止めていただけかもしれない。購入予定地から距離が離れていることもあり、絶好の候補地と思っていた土橋は、諦めきれずさらに調査を進め、所轄の警察からも情報を得るなどをした。

 その結果・・・特命チームは2年間かけて探し出し、最高条件と思われたグラウンド候補地を諦める決断をしたのである――(大人の読者の皆様はお察しください。子どもたちには社会に出ると色々、厳しいことがありますが、乗り越えられる大人になってくださいね)。

 上写真/書籍の中では子どもたちも読みやすいようにと、登場人物紹介やエピソードがイラストで紹介されるページもある。もちろんプロジェクトはノンフィクションだが、イラストについては若干の脚色があることはご了承いただきたい



 ―この続きにご興味のある方は、ぜひ本書でお楽しみください。通常版はAmazonかコーチャンフォー(道内一部店舗)で、特装版はAmazonでのみ販売しております(Amazonサイト内で、「SSS札幌」、もしくは「SSSサッカー」で検索するとトップページに表示されます)。

 「あなたも奇跡と呼ばれたプロジェクトの証人となる!?」


【書籍情報】
題 名:「100万円も借りられなかったNPOが、
     街クラブ日本一の施設を造った奇跡の物語」

著 者:北のサッカーアンビシャス編集部
    協力SSSドリームプロジェクト特命チーム
    イラスト担当スエリス

発行所:北のサッカーアンビシャス

形 式:A5版300ページ
   (カラー8P、モノクロ292P内イラスト20P)

価 格:クラブ40周年記念誌(カラー20P)付きの特装版は1,210円
    通常版は1,100円(ヤマトDM便での発送)

販売先:特装版はAmazonでのみ取り扱い中(SSS札幌で検索)
    通常版はAmazonとコーチャンフォーで取り扱い中
   (道内一部店舗)
編集部